チーム紹介 怒チーム | HOME | いよいよKOFの開幕です。
チーム紹介 女性格闘家チーム
こんにちは。
今回は女性格闘家チームの性能や技について、山本ゲームデザインディレクターと山口アートディレクターに話を聞きました。
―舞らしさを表現するために、グラフィックのどのような箇所に気をつけましたか。
山口:
「KOF XIII」の舞を作るにあたっては、「餓狼伝説」シリーズの舞の雰囲気を出すことを目標に置きました。
舞は、露出の多い服装をしているお色気担当キャラというイメージがありますが、色気の表現が「KOF」シリーズの舞と「餓狼伝説」の舞で異なります。「KOF」シリーズの舞は、胸や足、お尻なんかを強調したモーションが多く、積極的に色気を振りまくキャラクターとして描かれています。これに対して「餓狼伝説」シリーズでは、服装の露出こそ多いのですが、モーションはストイックというか、真面目な格闘家として描かれているんです。
「KOF XIII」の舞は、あの衣装がハイレゾで描かれるだけで十分刺激的なので、その他のモーションをストイックにした方が艶っぽい雰囲気が出ると考え「餓狼伝説」シリーズを目標に置いた、という訳です。なので、過度に色気を振りまくモーションは一切・・・あ、一つだけありますが、ほとんどありません。
山本:
キャラの造形として「餓狼伝説」シリーズの舞の雰囲気を出すという方針があったので、技の面でも「餓狼伝説スペシャル」のものを揃えることをスタート地点に置きました。「龍炎舞」と通常技の強いキャラに仕上がっています。
ところで、その一つっていうのは、「あの」モーションですか。
山口:
そうです。気になる方は、ぜひ探してみてください。
―技について質問していきたいのですが、各技の EX 版について、特にお勧めの技の性能と使いどころを教えてください。
山本:
「龍炎舞」の EX 版は、技を出した後の硬直が少なく、ヒットした相手が高く浮くようになるので、攻めの継続に向いています。他には、飛び道具の打ち合いになった時には「花蝶扇」の EX 版を使って欲しいですね。もともと舞は飛び道具の打ち合いに向かないキャラクターです。通常の「花蝶扇」は撃つまでに時間がかかりますし、相手の飛び道具をかわそうとしてジャンプしても、舞のジャンプは高いので、簡単に撃ち落とされてしまうので。ですが、EX 「花蝶扇」は貫通性能が有り、弾速が早いので、撃ち合いに勝つことが出来ます。
―NEO MAX超必殺技について、性能と使いどころを教えてください。
山本:
「不知火流・くノ一の舞」という超高速突進技で、画面の左上に向かってジャンプしてから、逆サイドの画面右下へ突進します。判定が非常に大きく、空中にいる相手に出してもヒットします。ヒットすると、相手を空中にロックして、三方から「ムササビの舞」を決めた後、「くノ一」を描いた爆発が起こります。
山口:
真面目な演出が多い舞の技の中では、異彩を放つ演出になっています。爆発のエフェクトは「女」ではなくて「くノ一」ですよ。格好良く「くノ一」を描くところに力を入れたので、ぜひご覧ください。
―この他、舞にまつわる話があれば教えてください。
山本:
最後のロケテストで搭載された、空中からの特殊技「浮羽」を活用すると、トリッキーに攻めることができます。空中で姿勢を立て直してから垂直に落下する技で、真下の相手に出すとガード方向を惑わすことができます。相手が思っているのと違う挙動を出来るのがポイントですね。
山口:
「KOF XIII」ではカラーバリエーションに力を入れています。単に多くのカラーを入れるだけではなくて、全部のカラーを使っていただきたかったので、ロケテスト毎に各カラーの見直しをしていました。使用率の低い色を変更するといった感じですね。舞は黄色の人気がなくて、一回目のロケテストでの使用率は 0.75% とかでした。変更したのですが、その後も使用率が低かったので、舞の黄色は全部のロケテストで違うものになっています。最後のロケテストで、ようやく使ってもらえるようになりました。
あと、舞の 10番目のカラーは北斗丸がモチーフです。アンディにも同様のカラーがありますよ。ぜひ、セットで使ってください。
―次に、キングはどのようなキャラになっていますか。
山口:
技のモーションは「龍虎の拳」シリーズがベースです。
例えば「トルネードキック」は、タイトルによって1回転の間に2回のキックを繰り出すモーションと、1回転で 1回キックし、それを2回繰り返すモーションがあります。「KOF XIII」では「龍虎の拳2」や「KOF’95」と同じ、1回転の間に2回のキックを繰り出すタイプのモーションにしています。
また、衣装も「KOF」シリーズで着ていたタキシードではなく、「龍虎の拳」シリーズに準じたものにしています。
山本:
新しい技として、「空中ベノムストライク」を追加しました。高い位置から撃たれる飛び道具ですので、ジャンプで避けにくく、技自体の隙も少ないという特徴があります。「ベノムストライク」を多用して、相手に接近を許さない状態をキープする、相手の攻撃を抑制することが、キングを使うポイントですね。
―各技の EX 版について、特にお勧めの技の性能と使いどころを教えてください。
山本:
「空中ベノムストライク」の EX 版が非常に優秀です。通常は技を撃った後にゆっくりと地面へ下降しますが、EX 版では技を出した勢いですぐに着地します。相手はまだ空中にいるので、「トルネードキック」や「トラップショット」で拾うなど、追撃することができます。また、弾速が速くなるのも強化点です。
山口:
通常版の「サプライズローズ」のモーションは「KOF2002UM」と同様に空中で敵をロックしたまま攻撃を続けるタイプのものですが、EX 版では、敵を蹴る反動でキングがジャンプを繰り返しつつ攻撃する「龍虎の拳 2」のモーションになっています。
山本:
「サプライズローズ」は、対空技に乏しいキングにとって貴重な切り返し技なので、どんどん使っていってください。余裕があれば EX 版を撃つのも良いです。
―NEO MAX超必殺技について教えてください。
山口:
「ベノムショット」という、大量の「ベノムストライク」をショットガンのように撃つ技です。この技は、一つ一つの弾の回転度合いや速度を設定する作業量が膨大な技なので、デザイナー側よりも山本さんに苦労をかけたと思います。
山本:
本当に大変でした(笑)。でも、大量の「ベノムストライク」が様々な角度、速度で拡散する、見た目に非常にきれいな技にできて、仕上がりには満足しています。
技の性能としては、「KOF XIII」で最速の飛び道具です。拡散して広がっていく分、攻撃範囲が広いのですが、全弾ヒットさせるにはコツが要ります。ただ、ガードさせてもかなり削れる効果的な技なので、どんどん狙って行って欲しいです。また、ショットガンの一発一発に「覇王翔吼拳」と同じ耐久力があるので、大抵の飛び道具相手に一方的に勝つことができますよ。
―最後に、ユリはどのようなキャラになっていますか。
山本:
「KOF」シリーズのユリは、新しいタイトルが出るたびに、誰かの技をイメージさせる技を覚えてきます。それで、今回は「ユリ雷神脚」です。詳しくはご想像にお任せします(笑)が、空中から斜め下に急降下する技です。
この技は、地面に対して鋭い角度で急降下するので、相手が出した対空技の手前で着地することができます。相手に対空技を絞らせないのは対戦する上で重要ですので、ぜひ積極的に使ってください。この他、相手の真上から放つと、相手のガード方向を惑わすことができ、奇襲として有効です。「KOF XIII」のユリは、「ユリ雷神脚」が攻めの中心になっていますね。
また、新たに追加した「鳳翼」という技も、ユリを使う上で重要です。「鳳翼」は、単発ではジャンプするだけの技ですが、パンチボタンを押すことで打撃、キックボタンを押すことで「ユリ雷神脚」。パンチボタン同時押しで投げに派生します。相手が通常技のキャンセルなどで間合いを離そうとする時に使うと、攻めを継続することができて便利です。
山口:
デザイン面では、カラーバリエーションにこだわっています。担当のデザイナーが情熱を傾けてくれたおかげで、パンツを履いたり、スパッツを履いたり、ニーソックスにもなる万能の下半身が完成しました。個人の頑張りでいいものが出来たという感じです。
山本:
操作感と見た目の両方で面白いキャラに仕上がっています。
―そう言えば、作ってみた結果、使わないことにした技もあるとか。
山本:
「ユリ幻影脚」ですね。一時期公式サイトのコマンド表にも載せていたので、目にされた方もいらっしゃると思います。これは、ロバートから伝授された技として追加する予定でした。ベースは「幻影脚」です。
山口:
実際に作ってみて、色々調整もしたのですが、どうにも格好良くならなかった。ロバートの「幻影脚」は足のリーチの長さがあってこそ格好いい技で、リーチが短いユリがやると様にならなかったんですね。
山本:
技の使い勝手も良いものではなかったので、採用しないことにしました。当時、時間的に「ユリ幻影脚」か「空牙(ユリちょうアッパー)」のどちらかを入れる余裕しかなく、プレイヤーの方は「空牙(ユリちょうアッパー)」がある方が喜ぶだろうと考えたんです。
―なるほど。では次に、各技の EX 版について、特にお勧めの技の性能と使いどころを教えてください。
山本:
通常の「百烈びんた」は移動投げですが、EX 版では打撃に変化します。無敵時間が長く、割り込みに使える優秀な切り返し技です。対空には「空牙」を使い、飛び道具にはEX「百烈びんた」を使うのがお勧めです。
「雷煌拳」の EX 版は、弾を 2発撃ちます。2発の軌道は少し異なるので、攻撃範囲が思いのほか広くなります。
山口:
EX の乱舞技にはこだわりたかったので、「飛燕鳳凰脚」は最後のロケテストまで調整していました。最後の一撃をなんとか気持ち良くしようと色々試したので、実際に見ていただけると嬉しいです。
―最後に、NEO MAX超必殺技について教えてください。
山本:
ユリがジャンプして弾を撃ち、着弾すると大爆発を起こす「覇王雷煌拳」という技です。爆風は多段ヒットするので、NEO MAX 超必殺技の中でもかなり削れる部類の技ですね。ユリが相当高い位置から斜め下に弾を放つため、相手はかなりかわしづらいです。
―ありがとうございます。
来週は八神チームの 3人について、話を聞きたいと思います。
では、また。
2010年6月18日 パニール