遙か神話の時代、人間の存在する遙か以前。
世界には「死」というものが無く「常世」は存在しなかった。
しかし最初の「死」が世界に訪れたとき「常世」は生まれた。
時の秩序は「封印の儀」を執り行い「死」を「地獄門」の内へと封印したのである。
この時より「現世」と「常世」の二つの世界が誕生し「生と死」の歴史が始まった。
「朱雀」の暴走より半年。
「常世」に繋がる大穴は、嘉神の大罪を語るが如く未だ天空に座し、「現世」を伺っていた。
再び境界を閉ざし二つの世界を分断するには、遙か神話の時代より伝えられる「封印の儀」を執り行い「常世」からの気の流れを遮断する必要があった。
しかし「封印の儀」とは、「四神」の力と「封印の巫女」が揃って初めて成り立つ儀式である。
「封印の巫女」を探すため「現世」では「玄武」を中心にそれぞれが動き始めていた。
時を同じくして「常世」。
深い闇の底では「封印の儀」を阻止すべく、様々な意識が引き寄せ合いうごめいていた。
それらはやがて一つの思念となり、ある者を「現世」へ蘇らせた。
四神の長「青龍」として目覚めた楓。
天空を仰ぎ、己の過去が清算されないことを悟る守矢。
新たな運命の兆しを感じ始める雪。
そして、奇跡的に命を取り留め、己の運命を受け入れる男・・・嘉神。