世界に新秩序を打ち立てんとするモーデン元帥が企てた反乱戦争も過去の出来事となり、ようやく世界に秩序と平穏が戻り始めた。
復活したモーデンは新たなクーデター計画を企てていたが、事前に察知した正規軍の電撃的な奇襲作戦において、第2次クーデターは未発に終わった…。
モーデン反逆軍鎮圧に功のあったペルグリン・ファルコンズ隊のマルコとターマは除隊願いを受け付けてもらえず、ファルコンズのリーダーとして任務を続行することになった。
モーデン元帥自身は行方不明とされているが、モーデン軍残党は今なお世界各地に潜伏しており、拠点を一つずつ破壊していくために彼らの能力と経験が必要とされていたのである。 残党との激しい戦いの中で、マルコとターマはモーデンの影を、3度目の野望を感じずにはいられなかった。
ヤツは生きている。
そして、あきらめてはいない。
一方、正規軍情報部所属の特務機関スパローズは、モーデン元帥の追跡と平行して、頻発する怪事件の調査を行っていた。
家畜の誘拐といったささいな事件から、要人の行方不明や生物の異常な巨大化などという何の関連もない複数の出来事が、一つの可能性を形成していく。
モーデン元帥とは違う、別の何かを。
情報部は半ば強引な形で、スパローズとファルコンズの共同作戦を実現させる。
モーデン軍残党が潜んでいる孤島への強襲上陸作戦に、スパローズのメンバーを参加させて欲しいとの要請を承認させたのである。
分析の結果、モーデン軍残党と怪事件の間には何か関連があるはずだ、というのが理由であるが、正規軍上層部はもちろん一笑に付した。
異常成長した巨大生物と、モーデン軍との間に関連など、通常では考えられないからだ。
しかし、情報部の事前工作が功を奏したのか、曖昧な形で要請は承認されてしまう・・・。
指揮系統の混乱を危惧した隊長マルコは当然猛反対したのだが、いつものように丁重に無視されて、上陸作戦は開始された。
肩をすくめるマルコ。
よぉ、と片手を上げるターマ。
ふん、とそっぽを向くエリ。
おひさしぶりですぅ、と笑顔のフィオ。
誰もが予想しない、新たな戦いの序曲が静かに奏でられ始めたのだが、その調べはあまりにもか細く、聞き取ることは難しかった。
そしてそのクライマックスは、かつてない激しさを伴っていたのである。