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お楽しみ:裏カラーの巻

こんにちは。
さて今回は、“稼働後のこぼれ話”ということで(?)、キャラクターの“裏カラー”について開発の現場からお伝えします。(ちなみに“裏カラー”というのは、普通にプレイしているだけでは出せない…アナザーカラーのことです)
このブログではおなじみ、そしてご無沙汰してます、山口アートディレクターに熱く語ってもらいました!

―早速ですが、『KOF XIII』の裏カラーのコンセプトはなんでしょうか?
山口:
裏カラーは、『KOF XIII』というゲームの対戦部分以外に、“遊びの要素”として何か面白さを組み込みたくて入れたものです。この部分については色々と意見が僕の中にあったので、無茶かもと思えるようなこともありましたが…ほぼ希望通りに実現することができました。

―うーん、もっと詳しく伺いたいですっ!
山口:
『KOF XIII』のキャラクター選択画面のドットキャラが変わる部分や、オーダーセレクトのドットキャラが3体並ぶ画面は、システマチックにするならドットキャラの表示を省いたり、イラストでもよいところなのですが、『KOF XIII』ではそのようなところも楽しめるようにと、考えました。八神チームの庵のデフォルトカラーがそうですが、3体揃える面白さを考えて頂きたくて入れています。(無駄といえば無駄になる部分なのですが)こういうところを『KOF XIII』には色々盛り込みたいと思っていました。裏カラーだけでなくK.O.時ユリとキングの服が破れるとか、パーソナルアクション(専用アクション)とかも同じです。

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―裏カラーのアイデアは?
山口:
裏カラー案はだいぶ前から考えていて、最初はビッグベア、Mr.カラテの2キャラクターを入れるだけの内容でした。ユリのオサゲ髪もそうですが、途中から色々やりたくなってきて歯止めが効かなくなっちゃって、限られた期間の中でも出てきたアイデアとできることは全部やろうと思い、デザイナーに本来の仕事に上乗せして作業をさせました。最後の最後まで仕事を増やしたので、間違いなく怨まれてますね(笑)

―きっと怨まれてるでしょうね。ファンの方々の反応は?
山口:
パレットの変更でイメージが変わるキャラがいたので、それを裏カラーにするかはロケテストの評判で決めようと思い、2回目のロケテストのときにラルフ、ジョーの10カラー目に裏カラーを入れてユーザーの意見を集めるつもりでした。評判が良かったら裏カラー、悪かったら10カラーだけにしようと考えていたのですが、この2キャラの使用率がすごく低く、プレイヤーの反応がほとんどわからなかったのは悲しい誤算でした。(笑)
新宿ロケテストで海外の方が迷彩ラルフを使っておられて、閉店間際に虎柄ジョーとの対戦があったときは、心の中でガッツポーズをしました。
結局、ロケテストでの評判がわからず、裏カラーを増やすことでプログラマーの作業やバグチェックも増えるので入れて良いかの判断は難しかったのですが、久木野プロデューサーの「裏カラーにしたほうがゲームとしては面白いので、裏カラーを入れよう」という発言で決定となりました。プログラマーは山口ではなく、プロデューサーを怨むべきだと思います(笑)

―おっと、なかなか毒を吐いてますね~たしかプロデューサーは最近突然身体が痛くなるらしいですよ。では、各キャラクターの裏カラーを紹介してもらえますか?
山口:
了解です。
「アンディ」:ずばり忍者です。表のカラーと違い裏カラーが暗めのカラーになっているのは担当のデザイナーのこだわりです。
「ジョー」:なんなら表カラーがこれでも良いのでは?みたいな気持ちで考えました。

―アニマル柄が大阪風で素敵ですね。

山口:
「ライデン」:ビッグベアです。開発中に、基本カラーがライデンと違い青ではなく黒ということを教えてもらいました。餓狼伝説2のときに使っていたはずなのに記憶はいい加減なものです…

―おおなつかしの!ヒールから正統派レスラーになっちゃうのですね。

山口:
「タクマ」:Mr.カラテです。ライデンとタクマは元のキャラの設定があるので最初に決めました。天狗の面と肌の色が同じカラーのものは何か恐怖を感じます…

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「ラルフ」:迷彩柄ですがこれは思っていたよりも作業がしんどかったらしく、内心悪いことをしたと思いました…。救いはイラストや勝利デモを担当されたおぐらえいすけさんが「格好良い!」と絶賛してくれたことです。

―ドットデザイナーに対して迷彩パターンは殺傷能力高いですよね。でもグレーの都市迷彩やカーキのデザート迷彩なんかは、私もしびれてしまいます。

山口:
「ユリ」:ショートカットも良いがオサゲも好きだった、と言う人が開発内に何人かいまして、ユーザーの好みも別れるだろうと思い、作りました。カラーの配色は『龍虎の拳2』のカラーと同じものが4つ入っています。
「K'」:改造人間ということで、特撮の名作へのリスペクトを込めて考えました。10カラー目は超有名なカードゲームへのオマージュです。

―では最後に一言、お願いします。
山口:
開発としては、裏カラーは2Dのキャラでも意外なイメージへと変えることができる指標になったかと思います。
この7体を使うユーザーの皆様は是非、この裏カラーで楽しんで欲しいです。残りの24体のキャラは宿題ということで・・・

―山口さん、ありがとうございます!怨んでなんかないですよ。みんな山口さんのこときっと大好きだと思いますよ。

山口:
・・・(苦笑)

―裏カラーを出す方法はみなさん、ぜひ探って頂いて…(確かあの攻略本にも―)。
次回は、ステージ背景についてです。お楽しみに!
では、またお会いしましょう。

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