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“おぐらえいすけ”さんが語る!『KOF XIII』その1

こんにちは、yuzukoです。
今回は『KOF XIII』オフィシャルイラストレーターの、おぐらえいすけさんにお話をうかがいました。
おぐらさんは本作のキャラクターイラストやメインビジュアルの他、ゲーム中の勝利デモイラストも手掛けています。
イラストレーターさんに語って頂ける機会ってなかなかないので、貴重なお話が聞けそうです。
では、はじめましょう。

―いきなり制作の話になっちゃいますが、『KOF XIII』のキャラクターイラストを描くにあたって、まず留意したのはどういうところでしょうか?
おぐら:
今だから言える話ですが―
開発からのオリエンでは、「アッシュ編の最終章はストーリー展開上、全体に少し暗めのトーンになる」とのことだったので、前作と比較して、やや渋めの色調になるようにしました。

<京とアッシュのイラスト『KOF XII』『KOF XIII』比較>
それぞれ、左が『KOF XII』ver.で、右が『KOF XIII』ver.。
そう言われてみれば…XIIIの色調にはかなり深みが感じられます。少し等身も低くしたみたいですね。

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―ちなみに、あの31体の中で描きやすかったキャラ、描きにくかったキャラなどはいますか?
おぐら:
一番描いていて楽しかったキャラは、ライデンですね。個人的にドッシリした体型のキャラが好きなのと、美形キャラにはない“こだわれるところ”が沢山あるからです。例えば、年老いたキャラやオジサンですと、顔のシワなんかのディテールを増やしても大丈夫だし、肉の質感なども凝れるので。

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逆に、女性キャラや京・庵といった美形キャラは難しいです。特に京は『KOF’94』から、庵は『KOF’95』からずっとKOFへ出場を重ねてきているので、キャラクターのイメージが確立されてしまっています。そのイメージを崩さないで、かつ『KOF XIII』なりの独自性を表現するというのは、思いのほか難しいです。


―美形じゃない方が、ある意味冒険できて自由度が増すんですね(笑)確かに味はありますよね~
おなじみのイケメンキャラはいつも丁寧に仕上げてるなぁ~と思っていましたが、美形キャラがそんなに難しかったとは意外です。
そういえば、アッシュはどうですか?

おぐら:
いわゆる典型的なヒーローキャラとは違う、ひとくせあるキャラですよね。KOFシリーズのオフィシャルイラストは、前作『KOF XII』からの担当でして、アッシュは言わずと知れたアッシュ編の主人公キャラ。メインビジュアルなどを描く際には絶対外せないキャラですので、僕にとっては、京・庵よりも向き合った時間が長く、その分思い入れが強いキャラクターです。あのジッパーだらけの衣装やら、細かいネイルアートなんかには、ときに悩まされたこともありますが、アッシュは描いていて楽しい、好きなキャラクターでしたので、機会があればまた描きたいです。

<アッシュの習作>
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―アッシュは『2003』、『XI』とそれぞれ別々のイラストレーターの方が描いています。正面きったポーズより、ちょっと斜に構えた感じの方がアッシュっぽいですよね。中性的な魅力がどこまで受け入れられるか、登場した当初は賛否両論でしたけど、ここまで育てて頂いたので、私も感無量です。
『KOF XIII』のキャラチョイスでアッと言われたホア・ジャイは、KOFへのプレイヤーキャラとして初参戦。餓狼伝説シリーズの初代で登場してからもうかなりの年月がたっていますが、今回新たに“おぐらえいすけ・タッチ”で描き起こすということになりました。作画上何か参考にしたことや、気をつけたことはありますか?

おぐら:
あまりこれといってないんですけどね。ただ、ラフのときに「ホアは歯がちっちゃい感じで。歯を小さくしてね。」と開発コダワリのチェックが入って、それから描き込むときには「歯を小さく~歯を小さく~」と頭の中で反芻しながら描いていました(笑)。
元ムエタイチャンプのホアは、餓狼伝説シリーズでは悪人として登場しましたがのちに改心し、ジョーのセコンドとして活躍することになる、ジョーと関連性の深いキャラです。今回は悪人時代のイメージで、ムエタイ使いらしい、鍛え上げられた細く強靭な肉体の描写を心がけました。KOFにはあまりいないタイプの“ストレートな悪人ヅラ”が描けたので、作画作業はすごく楽しかったですよ。

<ホア・ジャイの習作>
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―その他、上にあげた以外で描いてて楽しかったキャラやチームはありませんか?
おぐら:
その他でしたら…『KOF XII』の時からなのですが、怒チームは描いていて楽しかったですね。筋肉や金属の質感を描き込むのが楽しくて、彼らを塗っているときはシアワセな気分です。ただ、編上げブーツの紐や、腰に巻いた弾帯の、たくさんの円筒形を描かなければいけないのは、非常に時間のかかる作業でした。そういう意味でも印象深いです。

<怒チームのラフと完成イラスト>
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―手のかかる子ほど可愛いといいますもんね。そういう気持ちなのでしょう、きっと。この怒チームのラフと完成版を見比べると、レオナのポーズ変遷が分かり、とても得した気分です。

貴重なお話と絵をどうもありがとうございました!
次回は、おぐらさんにお願いして、また“お宝”を出して頂くことにします。
お楽しみに!

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