全国3000万人のシューティングファンのみなさん、こんにちわ!(某麻雀放送局的しゃべり方)
最近、秋葉原のゆうめいゲームセンター“H“に「バミューダ・トライアングル」が入荷し歓喜!
あらためてループレバーシューティングの面白さに目覚めた(これと魔○戦○しか知りませんが…)SNKプレイモア、松下と申します。
今回は第3回目ということで、前回の「ラストリゾート」から時間を巻き戻しまして…。
SNKが「新日本企画」だったころ…1980年度の作品です。
忍者シューティング「サスケVSコマンダ」です!
ちなみに読みは「さすけばーさすこまんだ」ではなく、「さすけぶいえすこまんだ」です。
よく間違えられるのですが、「サスケVSコマンダー」でもありません(笑)。
なぜ、最後を伸ばさないのかもよくわかりません…。
※タイトルは…ないっぽいです…
(記憶ではあったんですが!
まず、「サスケVSコマンダ」で特徴的なのはその「世界観」です。
この時代に「和風」のゲームを作ること自体が非常にチャレンジブルです。
他にもSNKは「ファンタジー」など、流行の“SF“以外の世界観のゲームを
作っていました。
当時では非常に珍しかった「漢字表示」もサスケVSコマンダの特徴です。
幼少のころ、まず驚いたのが「火炎の術だ!」などの漢字が出ていたことです。
ボスキャラ特定の技が文字で説明されていたので、「和風」の世界観に没入することが
できました。
今の和風シューティングの元祖…のような気がするようなしないような気がします(笑)。
※大門時焼きまである!(笑)
※この和風チックな画面がたまりませんー
「サスケVSコマンダ」はレバーで自機の「サスケ」を左右に動かして、ボタンで“くない“(小刀にも見えますが、忍者なのでくないかと思います)を射出し飛んでくる忍者を倒していく内容になっています。
当時、一般的にあった「横移動型シューティングゲーム」と基本的には同じ内容です。
(ただ「サスケVSコマンダ」は和風のグラフィックで、背景が星空でなくアーケードでは非常に異彩を放っていました)
赤忍者の編隊を倒すと、緑忍者の編隊が出てきて、それを倒すと…。
ここまでの説明では、普通の「横移動型シューティングゲーム」なのですが、
この「サスケVSコマンダ」は大きな違いがあります!
※サスケを横移動させて降りてくる敵を倒す、ベーダかギャラ的なゲームです。
「サスケVSコマンダ」の大きな特徴として、「ボスキャラクターの存在」というものがあります。
「ボスキャラクターとの一騎打ちが特別なフューチャーとして存在している」
というコンセプト自体が当時ではめちゃくちゃ珍しいです。
「ボスとの戦い」は今のシューティングでは標準装備のフューチャーですが、
「サスケVSコマンダ」の大きな先見性を表している内容だと思います。
この「ボスとの戦い」では先ほどの「漢字表示」も効果的に使われています。
「火炎の術だ!」「飛竜剣の術だ!」「変身火炎の術だ!」と相手の忍術が表示されることで、ちいさなスプライトのボスキャラに個性が生まれ、感情移入につながっていると思います。
この「忍者世界」「和風テイスト」の世界観を丹念に積み上げ、感情移入に繋がる仕掛けは「サスケVSコマンダ」全編に及んでいるコンセプトです。
(得点が数字とか和風じゃないところもありますが(笑)
※たぶんFIXの仕様の関係じゃないかと思います…
※なんと8ドットフォントで漢字表示!すごい!!
※当時は“ボス”の存在がかなーり衝撃でした。
これはとても有名な話なのですが、「サスケVSコマンダ」にはゲーム業界初と言える「撃ち返し弾」が搭載されています。
※「撃ち返し弾」とは、敵がやられた際に、爆発と同時に弾が発生するフューチャーです。
「サスケVSコマンダ」では敵忍者を倒すだけではなく、その敵忍者が「撃ち返し弾」となり落ちてくるので、
それを避けるテクニックが必要になっています。
このゲームの大きな特徴です。
個人的に、このフューチャーは
⇒ザコキャラがやられたときに爆発すると人型キャラっぽくない
⇒やられたら落ちてくるようにしよう
⇒落ちてきた敵忍者に不自然がないように当たり判定をつけよう
という世界観重視の考えで出てきたのではないかと思っています。
コンセプトをきちんと決めることにより、新しいゲームデザインが生まれるというのは私も非常に共感するところです。
古いゲームだといっても世界観を重視する姿勢は見習いたいです。
※落ちてくる敵忍者。これに当たるとミスになってしまいます。
世界観の話とリンクしますが、「サスケVSコマンダ」で他に非常に面白い点は、
「演出がキッチュで面白い!」というところです。
将軍様に依頼される出陣シーン(といっても一人だけですが)、ボスにやられると、ちび忍者に笑われ(?)たり、
ゲームオーバーになると石につまづいて転んだり(けっこうアニメが細かい!)、
などなど、かなり凝っていて可愛らしい演出が当時としては多く入っています。
「サスケVSコマンダ」の基板は決して高性能ではありませんが、随所に見られるこのような演出は、
まさに開発者のこだわりが感じられるポイントと言えます。
※石につまづいてころんでしまうサスケ(笑)。シュールですがかわいいです。
個人的に「サスケVSコマンダ」までのSNKは、ゲームシステム、世界観などを当時のゲームブームに合わせた形の物が多く、
「オリジナリティ」という意味合いは薄かったと感じています。
「サスケVSコマンダ」自体も基板がそれほど流通したものではないと聞きますが、出回り以上に、
ユーザー、市場に鮮烈な印象を残してくれたんだろうなあと思っています。(弊社にも基板は1枚しか現存していません…)
以降、「SNKイズム」と言われる独特のテイストは、まさにこの「サスケVSコマンダ」から出てきた物ではないでしょうか?
直接は関係のない「TANK」や「A.S.O」などに見られるチャレンジスピリッツは、「サスケVSコマンダ」の革新性をはじめ、
その開発者たちの精神が受け継がれた結果ではないかと思います。
えー…今回でこのシューティングコラムは最後になりますが…
実は5回ほどやるつもりでその中には「バミューダトライアングル」や「ニンジャコマンドー」もありました。
ただ、回数を間違ってしまった!という残念な感じで…すみません!
機会があったらぜひやりたいです。
今回紹介した「サスケVSコマンダ」も“縦スクロール和風シューティング”として続編を出したいなあとか考えています。
技名をしゃべるのは面白い仕様ですし、撃ち返し弾を使ったシステムを構築するのも楽しそうです!
夢がいろいろ広がりますねー。
シューティングに幸あれ!
それではまた~!!