みなさんこんにちは。ネオジオ博士です。もう早いもので発売から1ヶ月が経過しました。みなさんはもう十分楽しんでいただけましたか。普段あまり使わないキャラクターなども是非一度触れてみて下さいね。何か新しい発見があるかもしれませんよ。
さて、今回の講座は「KOF2002UM」にまつわる開発裏話やゲーム中の小ネタについてご紹介させていただきます。
■裏キャラバージョン誕生の経緯
本作ではシークレットキャラクターとして、ロバート、ケンスウ、タクマの裏バージョンを用意しておりますが、実を言うと当初はメイ・リーのモードチェンジの様に、ボタン同時押しによる“KOF2000バージョン”と“KOF2002バーション”の切り替え案も考えていました。結果、調整を重ねていく中で裏バージョンとして作成することとなりましたが、切り替えできるバージョンもきっと面白い戦略が楽しめたのではないかと思います。
他にも麟やユリの裏バージョン案が出ていたのですが、特に現状の性能的に必要という訳ではなかったのでボツとなりました。またレオナの覚醒と同様、庵もコマンドで“ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ”に変身させようという案もありましたが、設定上庵は暴走状態を制御している訳ではなく、コマンド(自力)で変身するのはおかしいとの結論となり、また全体のバランス調整を考え、こちらも残念ながらボツとなりました。
■不採用となったボツ技
本作では各キャラクターに対し、多くの新技や過去シリーズからの復活技が存在しておりますが、不採用となったボツ技もいくつか存在します。今回はその中から一部のボツ技についてご紹介させていただきます。
[アンディ] MAX2“斬徹”
[ジョー ] MAX2“タービランスアッパー”
もともと「KOF2002」に存在したMAX2に対し、「餓狼伝説WILD AMBITION」のオーバードライブパワー技からアンディは“斬徹”、ジョーは“タービランスアッパー”にそれぞれ差し替える案もありましたが、全体の調整など検討した結果、残念ながら廃案となりました。
[レオナ ] 特殊技“サイクロンブレード”
レオナには今までの戦略に何か変化を与えることで、また違った展開をさせたいと考え、“サイクロンブレード”という特殊技を考案していました。技自体は体を回転させながら2段蹴りを繰り出すというもので、2段目には浮かせ効果もあり追撃可能という性能でした。実際、このサイクロンブレードは開発中に実装までされていましたが、こちらも調整中の検討により削除されました。
[ケンスウ] MAX2“黄龍太極覇”
2匹の龍の気を1本の巨大な気に束ねて、前方に放つ飛び道具タイプのMAX2として考案しておりましたが、裏タクマの“覇王獅咬拳”と内容が被っていた為、インパクト重視で裏タクマの“覇王獅咬拳”を残し、ケンスウの“黄龍太極覇”がボツとなりました。
[パ オ] MAX2“サイコボール・エクステンション”
この技は“サイコボールクラッシュ”で3回まで自由に方向転換しながら移動することができ、さらに方向転換した場所に一時的にサイコボールアタックを設置できるというものでしたが、性能があまりにも強すぎる為、ボツとなりました。
[キング ] MAX2“デトネイターローズ”
超必殺技“サプライズローズ”の強化版として考案されたもので、最初に通常のサプライズローズを行った後、相手を蹴り飛ばさずに地面に叩きつけ、ダウン中の相手に対しさらにサプライズローズを行うという2段階形式の技でした。しかしキングが行う技にしては荒々しいという事もあり、不採用となりました。
[マチュア] 必殺技“ニルヴァーナ”
空中で相手に対して3回斬り裂く“デスロウ”の空中版として考案されましたが、こちらは“デスペアー”を空中でも出せるようにすれば代用可能ではないかという結論に至り、ボツとなりました。
[ジョン ] MAX2“鳳凰心意拳”
この技は“鳳凰裂爪脚”を放つジョンの分身を作り出し、分身が攻撃中は本体が自由に行動できるという性能でしたが、ジョンが分身するのは不自然という点と、技の性能が「KOF NEOWAVE」にあった“残光排氣撃”とあまり大差がない事もあり、本作では“残光排氣撃”が採用されることとなりました。
■ステージに関して
今回「KOF2002UM」のステージには、ノーマルステージとボスステージを含めた計15ステージが用意されていますが、実は開発段階では各ステージに夕方や夜、雨といった時間と天候のバリエーションが存在していました。またステージとしても怒チーム専用ステージ“ブラジル:ジャングルステージ”、女性格闘家チーム専用ステージ“イギリス:リーゼントストリートステージ”、ゲーニッツ専用ステージ“神殿ステージ”、ギース専用ステージ“ギースタワー最上階ステージ”といった4つのステージを制作しておりました。
今回は残念ながら実装されませんでしたが、今後機会があれば是非バリエーションの1つとして使ってみたいものです。
以上、ここまでで開発裏話をご紹介させていただきました。それでは続きましてゲーム中に存在する小ネタをいくつかご紹介しましょう。
■舞の“九尾の狐”で好きな衣装に着替える方法
舞のMAX2“九尾の狐”は、相手にヒットすると舞がランダムで着物姿やウェディングドレス姿に変化しますが、本作ではある方法でこれら衣装の選択が可能です。
方法は“九尾の狐”ヒット時に、“弱Pボタン”または“強Kボタン”を押し続けるとノーマル演出となり、“弱Kボタン”を押し続けると着物演出に、そして“強Pボタン”を押し続けるとウェディングドレス演出にと、それぞれ選択することが可能です。
また舞は“九尾の狐”ウェディングドレス演出で相手をファイナルK.O.させると、勝利メッセージ画面でウェディングドレス姿の特殊イラストが表示されますので、まだ見ていない方は是非上記の方法を試してみて下さい。
■チョイの特殊キャンセル
既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、チョイは“回転飛猿斬”の打撃部分終了から地上に着くまでのモーションを、“飛翔脚”と“真!超絶輪回転突刃”でキャンセルすることができます。こちらは奇襲に使用するのが効果的でしょう。
■オメガルガールの勝利演出
各キャラクターには勝利演出が2つずつ用意されておりますが(特殊勝利演出は除く)、実はオメガルガールのみ3パターンのセリフが用意されております。
それぞれのセリフを確認する方法は、相手をK.O.してから勝利演出に移行するまでの間に“弱Pボタン”または“強Kボタン”押しっぱなしで「弱すぎる!」、“弱Kボタン”押しっぱなしで「くだらん」、“強Pボタン”押しっぱなしで「くっくっく…」と、それぞれ選択する事ができます。
■試合終了時の背景キャラ演出
小ネタではありますが、各ステージの背景に存在するキャラクターも細かな演出をしています。
【日本・学校ステージ】
プレイヤーが相手をK.O.すると、ステージ中央にいる「痛快GANGAN行進曲」でおなじみのキャラクター“ジョー”と“勝男”が立ち上がりポーズを取ります。(ただし、タイムオーバーによる勝利は無効)
【中国・中華料理店ステージ】
ラウンドが終了すると、ステージ左にいる“タン・フー・ルー”の頭が光ります。
【台湾・極限流道場ステージ】
このステージのみ香澄が勝利すると、背景にいる藤堂竜白が喜びのポーズを取ります。逆に香澄が敗北すると、手にしていた雑巾を落とし、がっくりと膝をつきます。
【カンボジア・古代遺跡ステージ】
実はこのステージのラウンド5に限り、ステージ右に配置されている3体の石像の中央が“ねおぽけくん”に変化します。まだ見た事がないという方は是非ご覧下さい。
以上、ゲーム中の小ネタについてご紹介させていただきました。今回の講座はここまで。なお今後のネオジオ博士講座については、みなさんにお伝えする情報に応じて更新させていただきます。
それではまた次回の講座でお会いしましょう!