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晴天の昼間。休日なら、少年野球チームのにぎやかな声が聞こえて来る河川敷の広場。
平日の昼間は人の姿は疎らで、緩やかな時が流れていた。
男は、広場の中央に立ち、青く晴れた空をにらみつけていた…。
その目線の先には雲すら無く、只青い世界が広がっている。
「どこに居ても、俺を探し出せるという事かよ」
男の口から零れた言葉はあまりに意味深だった。
それは、その男が草薙京だということにより、更に言葉の重さを増幅させていた。
「何か、新しい事が起こるのか…」
右手に握りしめているのは、あの大会への招待状。
「結果は自分で確かめるしかないな」
自分自身に突きつけた試練。
静かに閉じられた目が開いた。その目は既にファイターの目になっていた。
歩き出した京の背中はどこか楽しい事を期待する子供のように見えた。
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