|
|
|
「まったく、いつ帰ってくるんだ。連絡くらいしろよな」
ロックはテリーからもらった帽子に向かい子供を叱る様に言った。
熱いフライパンに夕飯のハンバーガーの肉の塊が滑り込み、いい匂いを出していた。
しかし、1人分を作るのは張り合いが無いのか、一度火を弱めただけで蓋をした。
シンクにもたれながら、ロックはボンヤリとカレンダーを見ていた。
「おい、肉が焦げてるぞ」
その声で我に返ったロックは慌てて、火を止め蓋を持ち上げた。
「うわぁ!」熱くなった蓋をロックはシンクの上に放り投げた。
「も、戻ってきたんだテリー」
テリーはロックに歩み寄り、フライパンを覗き込んでこう言った。
「この焦げた肉が今夜のディナーかい?」
「ち、違う、これは……これは失敗したんだ」
ロックの困った表情をテリーは楽しんでいるようだ。
「ロック、KOFの招待状が届いた。お前も一緒に行くだろう?」
テリーの言葉にロックの表情は少し緩み、笑みがこぼれた。
|
|