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ラルフは朝から上機嫌だ。
ネットオークションで探し求めていた「幻のナイフ」を昨晩競り落とすことができたのだ。
その時、窓から家の前に宅配業者の車が止まるのが見えた。
ラルフは、玄関へと向かったが、荷物はお隣さんへと運ばれて行く。
「隣か、まったく紛らわしいんだよ」
キッチンへ向かって冷蔵庫からビールを取り出して飲み干すと、呼び鈴が鳴った。
「こんにちはジョーンズさん。いつもお留守ね」隣のジャクソン夫人が笑っている。
「あの〜何か御用ですか?」ラルフはこの夫人が苦手だった。
「あら、冷たいのね。そうそうお留守の間にこれを預かっていたのよ」
夫人は封書をラルフに差し出した。
「ありがとうございます。ご迷惑をかけてしまったようだ」
「あら、いいのよ。お隣さんなんだから」夫人の巨体が揺れる。
「申し訳有りませんが、レンジに入れたピザが焦げてしまうので、この辺で」
名残惜しそうな夫人を追いやると、ラルフは封書を開いた。それはKOFの招待状だった。
ラルフはすぐさまクラークの電話番号を押した。
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