|
|
|
ローソクの灯りに照らし出された部屋は、まるで魔女の作業場そのものだ。
うず高く積み上げられた分厚い本の山。不気味な色の液体の瓶が乱雑に置かれている。
「あっ!あったー!」声の主はミニョン・べアールだ。
「この本だわ。捨てられてなかったんだ〜」目的のページをめくるミニョンの手が止まった。
「これ、これだわ。早速試してみようかな〜」
ミニョンは大きく深呼吸をして目を閉じ、ゆっくりと胸の前で掌を合わせ精神統一をする。
「サラマンダの力により生まれし光よ、汝の力を我魔術の目的に貸したまえ」
呪文が終わると同時に眩い光が合わせた掌から発生した。しかし…
「あぁぁぁ、失敗だわ…目がチカチカしちゃったよ〜。まだ、私には無理なのかな…お婆様」
ミニョンの目から涙がこぼれ落ちたように見えた。
「失敗は誰でもあるよね。頑張って練習したらお婆様のような立派な魔女になれるはずだもの。
お婆様が仰ってたもの、健全な体に力は宿る、お勉強も大事だけど体も強くないとダメ、って…。
そうか!ミニョンはまだ、強い体を持ってないから失敗したんだわ!
そう言えば、お父様の所に届いていたお手紙の中にKOFの大会案内があったわ。
大会に参加して勝てば、強い体を持った事になるはずよ。早速、お父様にお願いしよう」
|
|